電装(天津)空調部件有限公司

【Denso (Tianjin)Theamal Products Co.,Ltd】カーライフ支えるエアコン部品の大生産拠点 自動化工場で増大する市場に対応へ



天津に大生産拠点を構えたトヨタ自動車。そのトヨタと歩みを同じくして、多くのサプライヤが天津に進出した。そのうちの1社がDenso (Tianjin)Theamal Products Co.,Ltd(電装(天津)空調部件有限公司)だ。ときにはティア1、ときにはティア2として、トヨタだけでなく、増大する中国の自動車市場に向けてエアコン用の部品を生産する。同社の総経理である白根悦司氏、副総経理である小島千宗氏、同じく副総経理である溝口敬三氏に同社の現状と今後の戦略について聞いた。

白根 悦司氏

Denso (Tianjin)Theamal Products Co.,Ltd(電装(天津)空調部件有限公司)
総経理


‒‒ 現在、どのような製品を生産しているのですか。

我々の会社は、デンソーの100%子会社になります。生産している製品は、デンソーの主力製品であるエアコンに関連するもので、大きくは2種類あります。一つはエンジンの冷却機器で、こちらは最終製品として直接顧客となるカーメーカーに収めていますので、弊社がティア1という位置づけになります。もう一つは自動車用エアコン用の熱交換器です。こちらに関しては、一旦、デンソーの関連会社に熱交換器を収め、その関連会社がユニットとして、カーメーカーに納めます。ですので、弊社はティア2という位置づけになります。

小島 千宗氏

Denso (Tianjin)Theamal Products Co.,Ltd(電装(天津)空調部件有限公司)
副総経理


冷却機器にしても、また関連会社でユニットになる熱交換器にしても、最終的には中国内にあるカーメーカーの工場が納入先となります。天津の天津一汽トヨタ自動車、北京の北京ベンツ汽車、上海の上海通用汽車、広州の広汽本田汽車などが、主な納入先です。冷却機器に関しては、デンソーが中国で受注したうちのおおよそ70%を、熱交換器に関してはほぼ100%を生産しています。

‒‒ 天津に進出した経緯を教えてください。

何と言っても、我々の最大の顧客である、トヨタ自動車が天津に進出しているからです。天津一汽トヨタ自動車は2000年に設立され、2002年から天津で生産を始めました。そして、2007年5月に大型の第3工場をこの開発区とは少しはなれた海側にある天津経済技術開発区(TEDA)に建て、カローラの生産を開始しました。第3工場の生産能力は約20万台と、非常に大きく、我々の会社もこの第3工場の操業に間に合うように天津への進出を決めました。

溝口 敬三氏

Denso (Tianjin)Theamal Products Co.,Ltd(電装(天津)空調部件有限公司)
副総経理


ご存知のように、トヨタ自動社にはジャストインタイム(JIT)と呼ばれる優れた生産システムが確立されております。そして、この生産システムを円滑に回すためには、ティア1、ティア2といったサプライヤが近くにあった方が便利です。このため、弊社は2005年に設立され、実施に2006年の半ばには生産をはじめました。

‒‒ なぜ、トヨタ自動社とは違った開発区である、西青経済技術開発区に工場を建てたのでしょうか。

もちろん、TEDAに工場を建てようという意見もありました。ただし、同開発区は非常に有名なトヨタ自動社がトップに君臨しているために、給与などもトヨタ自動車に引っ張られてしまうという心配がありました。

また、デンソーの関連会社が我々より早く西青経済技術開発区と同じ西青区に拠点を構えていたということも理由の一つです。やはり、カーエアコン用の部品を製造する天津電装空調有限公司は1997年に設立、2000年から西青区で生産を開始しました。このため、西青区の方々には、デンソーがしっかりとした経営基盤を持つ会社だということを理解してもらっており、この開発区に進出するにあたっても、いろいろと便宜を図っていただきました。

‒‒ 実際に西青経済技術開発区で生産を開始してから5年が経過しましたが、順調に進んでいますか。





お陰様で生産は順調に立ち上がっています。ここ数年、生産量は毎年10%以上伸びていますが、このような増産も乗り切れています。

もちろん、すべてが順調にいったとはいえませんが、問題が起きると西青経済技術開発区に相談にのってもらえるので非常に助かっています。西青経済技術開発区の管理委員会は官公庁というイメージではなく、どちらかというとサービス業というイメージです。すごく相談しやすい。細かい話ですが、従業員が交通事故を起こした際にも相談に乗ってもらいました。交通事故を起こした場合は、どこに届け出なくてはならないか、相手の方にはいくらぐらい賠償金を払ったらよいか、などといったことが我々では分かりません。管理委員会は、相談をするとすぐに担当部署に連絡を取ってくれ、すべての手続きの方法が分かりました。

通勤バスのサービス向上の際にも協力いただきました。現在、この工場の従業員は800人ぐらいいます。ほとんどの従業員の方は、会社が用意する15台のバスに乗ります。バスの運行は、天津の地元のバス運営会社にお願いしているのですが、利用している従業員から、いろいろな不平があがりました。運転手の態度が悪い、バスの中が寒い、いすが古くて乗り心地が悪い、などです。このことを管理委員会に伝えて、できればバス会社を変更したいという希望を述べました。管理委員会は、そのバス会社は古くからある地元の会社なので、必ず改善させるという約束をし、そしてそれを実践してくれました。このように、些細なことにも親身になって相談に乗ってくれるので、まるでサービス業のようなのです。





弊社では、毎月お誕生会を開催するなど、従業員の声を聞くのを非常に重要視しています。バス会社に関する不満なども、そういった場があることで明らかになりました。従業員の声は、ほとんどが解決できるものだと思っております。ただそれには、今後も西青経済技術開発区の力が、どうしても必要になってきますが。

‒‒ 今後の展開について教えてください。

先ほど、中国市場はどんどん伸びていると言いましたが、それに対応するために、弊社の生産ラインも強化している最中です。2012年の2月に増築し、建物の面積を1.5倍にしました。新しい建屋では、生産ライン4本新設する予定ですが、現在はその1本で生産を開始したという状況です。これまでの生産ラインは、ある程度人手の作業を意識したものでした。しかし、これから構築するラインは自動化を進めたものとする予定です。

中国の自動車市場は、昨年が1800万台でした。これが、2020年には2500万台になると言われています。私達の工場は、デンソーのエアコン部品の中国の中核拠点という位置づけは変わりませんから、デンソーが現在のシェアを取り続けるとしたら、当然、この市場の伸びに追従していかなくてはなりません。また、市場に追従するとともに、新技術はいち早く展開する必要があります。こういった事業を円滑に行っていくように舵を取っていきたいです。


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