三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司 天津支店

【Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (China),Ltd】北の玄関口に進出する企業を手厚くサポート きめ細かいサービスで日系以外にも浸透へ



三菱東京UFJ銀行は、邦銀では天津に最も早く事務所を構えたパイオニアの経験を生かして、天津市に進出する日本企業を多角的に支援している。西青経済技術開発区に進出している企業に対しても、同開発区と協力しながら、資本金の規模に関わらずに対応している。近年天津市に進出してくる企業の動きなどについて、Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (China),Ltd(三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司)天津支店 副支店長の梅野真氏、新市場・政策課課長の李靭氏に話を聞いた。

梅野真氏
Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (China),Ltd (三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司)
天津支店 副支店長


‒‒ 天津に支店を設立した経緯を教えて下さい。

三菱東京UFJ銀行は、1958年に日中間で初めてコルレス契約を結ぶなど、古くから中国で業務展開を行なってきました。3月には中国で10番目となる武漢支店を開業、また年末までには11番目の支店を瀋陽に開設する予定で、五つの出張所と併せて16拠点で主には日系企業の中国ビジネスを支援しています。

天津への進出ですが、旧三和銀行の駐在員事務所を1987年に開設しました。これは邦銀としては初めてでした。その後、1995年には旧東海銀行が支店を開設しました。これもやはり邦銀としては、初めてです。その後、2007年に中国の現地法人である三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司が設立され、我々のもこの現地法人の傘下に移行しています。支店としての操業は、今年で17年目ということになります。

我々の業務のメインは、天津地域に進出している日系企業の支援です。天津地域には主だったものだけでも13個の開発区があり、それらの開発区にも多くの日系企業が進出しています。西青経済技術開発区にも100社以上の日系企業が進出していると思いますが、我々はその中の1/3を上回るお客様とお付き合いがあります。

‒‒ 天津市に進出する企業の近年の動きを教えてください。

李靭氏
Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (China),Ltd (三菱東京UFJ銀行(中国)有限公司)
天津支店 新市場・政策課 課長


天津市は古くから製造業の街として栄えてきました。前にも述べましたが開発区も多く、また歴史もあり、例えば西青経済技術開発区は今年で20年を迎えます。特に電子情報産業や自動車関連産業などが栄えています。

近年では、何と言ってもトヨタ自動車が第一汽車集団との合弁会社を設立、天津市経済技術開発区(TEDA)内に大規模工場を2007年に建てた影響が多くありました。これに伴い、ティア1、ティア2をはじめとする多くのサプライヤーがトヨタ自動車と共に天津地区に進出してきました。私達としても、進出してこられる企業のサポートで、翌年の2008年までは非常に業務量が増えました。

その後、リーマンショックの影響もあり、一旦、進出の勢いが止まりました。ただし、またここに来て、伸びているのです。そして、進出企業の傾向が少しずつ変わってきました。以前は、電子部品など、天津で作って輸出するというモデルも少なく無かったのですが、最近は天津をはじめとする華北地区の豊富な消費を狙って、消費財を生産する企業が目立って多くなってきました。

‒‒ なぜ進出する企業が増えているのでしょう。

一つは市政府の考え方ではないでしょうか。中国全体のGDPの伸び率は、2011年は9.2%と言われていますが、天津は16.4%です。これは、鉄道、高速道路、水道、電気などインフラを拡充するなど、成長の素地を市政府が揃えていることも関係しています。また、それに加えて大型の港や国際空港を備え、また北京から近いというのが天津の魅力であり、住環境も整っています。

先ほど13個の開発区があると言いましたが、開発区からの誘致も盛んに行なわれています。開発区の整備も進んでいるのですが、それだけでなく住環境も充実してきています。もちろん、製造業は生産が一番重要ですが、従業員が安全に暮らせるのか、通勤に困らないのか、家族が楽しく暮らせるのか、といったことも同じように重要です。その点、天津は治安が良く安全で、また古くからある伊勢丹をはじめ、最近ではユニクロや無印良品、ヤマダ電機が進出してくるなど、何不自由なく暮らせるようになっています。

製造業として、人件費という面ではベストではありません。ただし、ものづくりの素地があり、きちんとしたものが作れます。また、マーケットとして北京、天津はじめ、今後は華北省や東北3省など大きな伸びが期待できます。これらの消費地の玄関口という位置づけで考えると、ベストな進出地と言えるかもしれません。

‒‒ 天津に進出する企業にとっての西青経済技術開発区の魅力を教えて下さい。





西青経済技術開発区は国家級の開発区で歴史も古く、すでに1000社以上が進出しています。開発区の中では市内に近いために、市内に住んでいても通勤に困ることはありません。また、進出企業が多いので、いろいろなパーツを開発区内で調達できるというメリットもあります。例えば、携帯電話機であれば、すべてのパーツが開発区内で調達できるとも言われています。金型も含めてです。

これだけ実績があるということは、魅力があるからなのですが、その魅力を考えるとやはりきめの細かいサービスだと思います。例えば以前、西青経済技術開発区に進出を考えていた中小企業があったのですが、その時はレンタル工場の空きがなく、進出を断念しました。このことを開発区では覚えていて、レンタル工場に空きが出たときに真っ先に連絡、その結果、再度検討して進出を決めた、という話がありました。口頭では声をかけますよ、と言ってもなかなかできることではありませんが、フォローもしっかりとやっているという一つの例です。

西青経済技術開発区はこのように、中小企業でも大切にしています。ともすると、大企業と中小企業では対応が変わってしまいがちになりますが、そのような声は我々のお客様からはきかれません。大手企業の一次サプライヤ、二次サプライヤ、三次サプライヤと次々と進出してくることもあり、こういったケースからも中小企業への真摯な姿勢が分かります。

また、進出企業向けの勉強会も盛んに行なわれています。例えば、3~4年前に輸出入の規制が厳しくなったことがあり、輸出入の場合は一定期間内に決済をしなくてはならないようになりました。規制が厳しくなった当初は、情報もあまりなく、皆が混乱していました。こんなとき、西青経済技術開発区は当局の担当を呼んで、説明会を開くなど主体となって動いてくれました。私達もその説明会に参加させていただくなど、非常に助けられました。

‒‒ 今後、どのように業務を拡大していく予定ですか。

我々は法人相手には日本と同様にフルバンキングのサービスを提供できる権利を持っています。日系企業に対しては、きめの細かいサービスを日本と同様に提供することで、満足度を高めていきたいと思っています。

また、業務を拡大するうえでは、日系企業ではなく、他国からの進出企業や現地企業との業務を増やしていかなくてはなりません。日本からの進出が増えているといっても、所詮進出企業全体の10%強ぐらいしかありません。例えば、天津は韓国に近いせいもあるのですが、日本人の10倍以上の韓国人が住んでいると言われており、SamsungやLGも進出してきています。欧米やアジアの他国との業務を増やすためにも、幅広い商品を用意し、さらに日本流のきめ細かいサービスを提供していきたいと思っています。
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