天津乐敦中药有限公司

【Tianjin ROHTO Herbal Medicine Co.,Ltd】中国で採れる漢方生薬のエキスを製造 健康ブームに乗じてビジネスを拡大へ



日本においても、そして中国においても高まる健康ブーム。健康ブームを支える漢方薬の市場に大手の製薬メーカーであるロート製薬が進出したのは今から5年前。それ以来、事業は順調に成長している。そして、拡大する事業を背景に、漢方薬に使用する生薬エキスを製造、販売するTianjin ROHTO Herbal Medicine Co.,Ltd(天津乐敦中药有限公司)を3社合弁で設立した。同社の董事 総経理である滕刚氏に同社設立の背景と今後の展開について聞いた。

滕刚氏
Tianjin ROHTO Herbal Medicine Co.,Ltd (天津乐敦中药有限公司)
董事 総経理


‒‒事業の内容を教えてください。

私達が所属するTianjin ROHTO Herbal Medicine Co.,Ltd(天津乐敦中药有限公司)は、日本のロート製薬、ウチダ和漢薬と中国の天津力生制葯股份有限公司の3社による合弁会社です。出資比率はロート80%、ウチダ和漢薬10%、天津力生10%です。漢方に使用するエキスや、生薬をはじめとする天然物由来エキスの製造、販売が主な業務です。

会社の設立は2010年の5月です。この2年の間に、土地の購入、工場の建設、生産ラインの構築などを行い、また各種の認証を経て、生産ができる状況になりました。


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初期段階の販売先は、主にロート製薬になります。ロート製薬に「和漢箋」という漢方薬のシリーズがありますが、これに使用するエキスを製造します。

‒‒なぜ中国でエキスの製造を行なうのでしょう。

5年前、ロート製薬は「和漢箋」シリーズの販売を開始しました。当時、「メタボ」という言葉に代表されるように、メタボリックシンドロームの名前が一般化されました。健康診断において、腹囲の測定が行なわれるようになったのもこのころです。このメタボリックシンドローム(代謝症候群)の対処に漢方薬は効果があり、漢方薬ブームが訪れました。

和漢箋シリーズはこのときに誕生し、「わかりやすい漢方薬」というコンセプトが受け入れられ、初年度からヒットしました。漢方薬には原料となる生薬が必要となりますが、日本で消費される原料生薬は7~8割が中国からの輸入でまかなわれています。また、レアメタル(希少金属)と同様に生薬においてもレアプラント(希少植物)は生産や出荷を規制するといった動きも報じられるようになりました。

このような中、もともと生薬を製造加工していたウチダ和漢薬、天津力生制葯股份有限公司と縁があり、一緒にエキスを作る会社を作りましょう、という話になりました。ロート製薬としても、日本全体に生薬エキスを供給できるメリットや、生薬の買い付け~エキス加工までできる強みもあり、会社設立に至りました。

‒‒天津という土地はどうして決まったのですか


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ウチダ和漢薬と天津力生制葯の2社は、1996年から合弁会社を設立し生薬の製造販売を行っていました。それが天津だったのです。では、なぜ天津だったかというと、それにはいろいろ理由があります。昔から漢方薬を扱っているメーカーが天津界隈に多かったこと、薬の町として古くから栄えており現在でも漢方生薬の流通センターである河北省の安国に近いこと、大きな輸出港である天津港に近いことなどです。

さらには、天津の気候が生薬の保管に適しているということも挙げられます。天津は雨が降ることが少なく比較的乾燥しています。粉末状態で吸湿性の高い漢方も保管しやすいと言えます。

‒‒では、開発区の中で西青経済技術開発区を選んだ理由は

大きな理由は立地の良さです。ウチダ和漢薬と天津力生制葯の合弁会社は天津市の中にあります。実はそちらの工場も天津市の都市開発に伴い西青経済技術開発区に引っ越してくる予定なのですが、西青経済技術開発区であれば市内からも近いので、人材を集める際にも有利です

また、開発区のサポート体制がしっかりしています。中国はともすると官僚的なところがあるのですが、西青経済技術開発区は進出する企業側にたって考えてくれます。これは工場建設が始まってからのエピソードですが、役所にある必要書類を提出する際、解釈の違いにより条件がうまくそろわず、先に進まなくなってしまいました。この際、開発区の方に間に入っていただき、私達が納得のいく形で妥協点をアドバイスしてもらいました。中国では法整備が遅れている点もまだありますが、西青経済技術開発区ではそれを踏まえて先進国並みのサービスを提供してくれるので、特に中小企業は安心して進出できるのではないでしょうか。

‒‒西青経済技術開発区に何か要望はありますか

今、西青経済技術開発区は発展している最中で、開発途上の箇所も多くあります。様々なことを計画されていると思いますので非常に期待しています。今は工場団地かもしれませんが、これが一つの街になってくれると想像しています。特に公共交通機関が発達してくれると、従業員の出勤のためにもありがたいと思っています。

我々が天津に進出して2年になりますが、2年の間にも街は大きく変わり、まさにこの地が成長中であることを実感しています。成長中であるということは、チャンスも多くあるということです。製薬で言えば、より多くの消費者に購入してもらえるわけで、ここでブランド力を上げればビジネスは確実に広がります。現在、弊社の製品はロート製薬への納品のみですが、生産が軌道に載れば中国のローカルメーカーや欧米、他の日系メーカーなどへ顧客拡大を進めていく方向です。天津という成長中の地域に身を置いていると、日本で感じられないようなすさまじいエネルギーがあり、そのようなビジネス拡大の可能性も広い視野で検討していかなくてならないという気になります。天然物がもつ大きな魅力を、エキスビジネスを通じてより多くの人々に伝えていけたらと考えております。
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