尤妮佳生活用品(天津)有限公司

【Unicharm Packaging Material (Tianjin) Co.,Ltd】中国における二つ目の生産拠点を夏に稼働 2桁で伸びる中国市場にきめ細かく対応へ

2012年3月期の業績が、売上高は10期連続、営業利益は5期連続で過去最高を更新しているユニ・チャーム。その成長ドライバーは、ここ数年、二桁%で市場が伸び続けている中国だ。これまで、中国市場へは主に上海工場で生産していたものを供給していたが、急拡大する市場に向けて、天津での生産拠点立ち上げを決断。2012年夏にいよいよ天津工場での生産が始まる。同社の中国市場での取り組みについて、Unicharm Consumer Products (Tianjin) Co.,Ltd(尤妮佳生活用品(天津)有限公司)董事長 総経理の猪川護氏に聞いた。

猪川 護氏
Unicharm Consumer Products (Tianjin) Co.,Ltd(尤妮佳生活材料(天津)有限公司)
総経理

‒‒ 間もなく生産を開始する天津工場の概要を教えて下さい

ユニ・チャームにとって、中国における第二の生産拠点という位置づけです。主には紙オムツ、女性用生理ナプキンなどを生産します。2012年の夏に生産を開始する予定です。生産ラインの設置がスタートしており、現在は実際の生産に向けて各種の検証を開始している最中です。

ユニ・チャームが中国に進出してきたのは1995年。生産は1996年に開始しました。生産を開始したのは、上海市青浦園区にある工場です。当初はナプキンから生産を初めました。お蔭様で中国市場でのビジネスは順調に拡大しており、2010年には紙オムツの生産も開始するなど、中国市場での幅広い需要に応えられるよう、ラインナップも拡大しています。

上海では、現在第3工場まで規模を拡大しました。年々拡大する中国市場への製品供給を上海工場で一手に引き受け、ここまで規模を拡大しましたが、そろそろ限界に達しました。そこで、第2の拠点を設けようという展開になり、この天津という地を選びました。

‒‒ なぜ第2の拠点として天津を選んだのでしょうか

ユニ・チャームは日本において、エリア供給戦略という考えを持っています。日本には工場が3カ所あるのですが、消費地に近い工場で生産し、供給しようという考えです。香川、静岡、福島の3カ所で生産を行なっており、日本の東は福島で、西は香川で、その中間は静岡でカバーしています。

このように消費地に近いところで生産をすることによるメリットは大きく分けて二つあります。一つは顧客のニーズの変動に迅速に対応できるということ。ユニ・チャームの場合、商品は消費者向けです。全社的な戦略を練って、テレビコマーシャルなどによって特定の製品の訴求に努めたりします。ただし、やはり地方によって売れ筋に若干の差などが生じてしまうことがあり、その差を複数の生産工場によって対応するわけです。

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もう一つの大きなメリットは物流費の削減です。弊社の商品は紙製品が主流で、製品のサイズが大きいため、すぐにトラックの荷台が一杯になってしまいます。このため、トラックの物流費が非常に多く、このコストを下げるためには、なるべくトラックの移動量を減らさなくてはなりません。

このような戦略を中国で同じように展開しようと考えたとき、現在、上海工場があるので、次は中国におけるもう一つの大消費地、北京の近くに工場を設けようという考えが自然です。ただし、北京に工場を設けるのは、コスト的に負荷が膨大になってしまいます。そこで、北京の近くで拠点を検討していたところ、天津という地が候補として挙がりました。天津は北京との距離が100kmちょっとと非常に近く、また高速道路網も発達しています。華中から華南地区を中心に上海工場がカバーするのに対して、華北から東北地区をカバーする地として、天津は最良の土地だったわけです。

‒‒ では天津の中でも西青経済技術開発区を選んだ理由を教えてください

我々が重視したのは、規模と実績です。国家級であることが絶対条件の一つでした。加えて進出企業の実績です。進出企業が多いというのは、もちろん様々なメリットがあるからです。その点、西青経済技術開発区には既に1000社以上の企業が進出していました。

また、天津の中心地から距離が近いという点も、進出を決めるにあたってはポイントが高かったです。当然ですが、生活は仕事だけではありません。家族のことなどを考えると、生活環境が豊かなことが望まれます。その点、西青経済技術開発区は、天津の中心地までクルマで数十分とわずかです。ショッピングをはじめとして、生活に困るということはありません。

進出するに当たっては、西青経済技術開発区の方々にいろいろ支援をいただきましたが、誘致部の方は最初のころから非常にきめ細かく対応してくれました。中国だと組織が縦割りになっていて、業務が細分化されている分、対応する部署がばらばらになってしまうということがあります。ともすると、これは何部に聞いてくれ、この件は何部から回答する、といったように面倒な点が出てきます。西青経済技術開発区は、窓口を一本化し、すべてを担当の方が一手に引き受けてくれました、日本人に対して細やかな対応をしてくれているという印象です。

‒‒ 生産を軌道に乗せるためには、どのようなことが重要視されるのでしょうか

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優秀な技術者の採用がキーになってきます。生産の立ち上げに当たっては、日本から支援の技術者が大勢来てくれます。ただし、その後はどんどん現地化を進めていかなくてはなりません。ユニ・チャームでは、立ち上げたラインは改善改良を繰り返して、より生産性を高めるという方針を掲げております。その現場に適した方法を、常に追い求めていかなくてはなりません。

また、ユニ・チャームの生産は、紙という柔らかなものを扱うために、生産技術力が求められます。機械部品のように、全自動で生産が行なえる、といったことには簡単にはいきません。どうしても人手と機械化を融合させなくてはならない場面が多くあります。

幸いにも、西青経済技術開発区の周りには工業系の大学や専門学校が多くあり、優秀な技術者を雇用しやすい環境にあります。また、西青経済技術開発区の担当の方が、優秀な技術者を採用するために、我々と一緒に知恵を出してくれます。いくつかの大学ともルートができ始めており、弊社の社風を理解してもらえる技術者に入社してもらえるものと、確信しています。

‒‒ 今後の展開について教えて下さい。

まずは、順調に生産を軌道にのせることです。軌道にのせた上で、現在上海拠点から出荷している製品の中で、天津から出荷したほうが良いものを、早期に移管したいです。

その後は、現在の主力製品、紙オムツ、ナプキンのラインナップを広げることとともに、違った事業にも業務を拡大していきたいです。現在、中国で展開しているのは紙オムツを中心とした「ベビーケア事業」、女性用ナプキンを中心とした「フェミニンケア事業」の二つです。これに加えて高齢者用紙オムツや花粉用マスクなどを中心とした「ヘルスケア事業」も、中国で大きな市場を想定できます。是非立ち上げたいと考えております。

もしこの構想がうまくいけば、この地区に新たな建物を設けていかなくてはなりません。西青経済技術開発区では、開発区の敷地を新たに増設するという計画も聞いていますので、もし弊社の規模を大きくしようとしたときにも、安心して任せられると考えています。

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