開発区案内

中国天津 国家級西青経済技術開発区案内

 北京、上海、重慶とともに、中央政府の4台直轄市である天津市は、首都北京と隣接し、渤海湾にも面した天津港を保有していることから、古くから海外への玄関口として栄えてきた。その天津が開港されたのは1860年と今から150年前。以降、欧米を中心として9カ国が租界地を置くなど、国際都市の様相を呈した。

 
時の歴史的建築物は、天津市政府が解体などを規制、保護することで、多くの観光客の
目に触れられるようになっている。世界各国の金融機関が集まり国特有の建築様式の違い
が分かる解放北路、ユニークな一戸建て住居が並び「建築芸術の宝庫」とも言われる五大道、旧日本租界地に残る洋館である張園などがその代表。急速に工業発展が進む中で、趣ある古い町並みが共存するのが、天津の魅力の一つである。

天津市は、GDPの伸び率がここ数年、中国31の省地区で最も高いと言われている。その結果、2011年のGDPは約1兆1000億元と上海市、北京市に次ぐ第3位にまで成長した。成長の理由の一つは立地の良さ。首都北京との距離はおよそ120km。2008年、北京オリンピックの直前に開通した中国版新幹線により、天津―北京間はわずか30分で移動できる。また、前述したように華北最大の貿易港である天津港には、10万トン級の貨物も接岸できる。さらに、国際空港である天津浜海国際空港も市内の近くに備えており、陸・海・空のいずれにおいても、アクセスが利便であるというのが大きな強みだ。

天津市は、四季の移り変わりがはっきりしているという点では、日本と共通している。天津市の総面積は1万1920km2。これは東京都の約5.5倍で、秋田県とほぼ同じ大きさ。人口は約1300万人で、東京都とほぼ同じ。緯度は秋田県、岩手県とほぼ同じ。日本の東京と比べると夏は暑く冬は寒いが、からっとしていて雪が降ることも少ないので、非常にしのぎやすい環境である。これまで深刻な洪水災害が起きたことはなく、地震が発生する可能性も極めて少ないと言われる。生産活動という点では、安心できる環境が揃っている。日本とも非常に良い関係を続けており、神戸市、四日市市、千葉市とは姉妹都市として提携している。

日本企業の得意分野が産業の柱

天津市が、これほどまでに急成長している理由は、立地や気候の良さだけではない。最大の要因は、天津市にある10以上の開発区が、海外企業の誘致を積極化していることだ。天津経済技術開発区(TEDA)にある天津一汽トヨタ自動車の工場をはじめ、近年になって大型の工場が数多く建設された。自動車産業をはじめとして軽工業、機械、電機、化学などの産業が活発に生産活動を行なっており、天津はまさに工業都市に変貌しているといって、過言ではないだろう。

数多くある開発区の中で、近年、日本の大企業だけでなく中小企業が進出先として注目されているのが、天津市西青経済技術開発区(XEDA)だ。XEDAの設立は1992年、今年で丁度20周年を迎える。2010年に国家級の開発区に昇格。2012年2月までに進出した企業の数は1080社をうわまわり、投資総額は100億USドルを超えた。TEDAをはじめとする他の開発区と異なり、唯一天津市内に位置することも大きな特徴で、天津市の中心地まで約10km、高速鉄道の駅まで約7km、国際空港まで約15km、天津港まで約30kmと、アクセスの良さでは抜群の環境と言える。

多くの日本企業に注目されている一つの理由が、産業の柱として日本企業が得意としている分野を掲げていること。XEDAが産業の柱として挙げているのは四つ。電子情報産業、自動車関連産業、バイオ医薬産業、高級ケア用品産業。中でも、主力となるのは電子情報産業で、XEDAは2004年に国の九つの電子産業基地の一つに最初に認定された。現在は集積回路、電子部品、モバイル通信などの分野の企業が多く進出している。

中小企業のサポート充実が命題

中小企業に手厚いサポートを行なうというのもXEDAの魅力の一つだ。これは、様々な産業の強固なサプライチェーンを構築するには、コアな技術を持つ中小企業の存在が不可欠であるというXEDAの信念に基づくもの。XEDAは不動産会社を持っており、用地の取得から、水道、電気などのインフラを引き込むためのサポートもする。さらには、会社設立から営業許可の取得に至るまでの業務も全面協力する。このため、営業許可書は申請からほぼ5営業日で取得可能だという。

中小企業が進出する際には、人材の確保も乗り越えなくてはならないハードルの一つだ。XEDAに近接する天津市内には人口がおよそ600万人、郊外四区には200万人と豊かな労働力に恵まれている。また、天津大学や天津南開大学、天津財政経済大学、天津科学技術大学など、大手の有名大学にも近く、専門性を学んだ学生も多くいる。こういった人材を獲得するにあたって、XEDAは二つの組織で対応する。主には大学卒の知的労働力を供給する組織と、工場などでのワーカーを供給する組織だ。

日本人が生活しやすい環境を整えることにも、XEDAは力を入れている。すでに、XEDAから半径12km以内には150軒以上の日本料理店があるが、これに加えて現在、日本食の料理店街を開発区内に構築すべく準備を進めている最中。伊勢丹やヤマダ電機、イオン、ユニクロ、無印良品などの店舗も近くにあり、日本並みの生活環境を手に入れることもできる。

XEDAは、現在16.88km2の工業区域が完成しているが、すでに会社があふれるほどになっている。このため、この工業区域を30km2まで拡大するよう、現在準備を進めている段階。さらには、コアサービス区とよぶ区域を6.33km2の規模で開発している最中だ。この区域は、オフィスブロック、本部経済ブロック、中央ビジネスブロック、総合研究開発ブロック、開発実験ブロック、商業サービスブロック、生活ブロックという7つのブロックから構成され、現代サービス産業の比率を高める計画だ。

このように、日本をはじめ多くの国が進出地として注目するXEDA。GDPや固定資産投資、税収などの経済指標のここ5年の年平均伸び率は、いずれも30%を超えている。この勢いは、しばらく衰えることはなさそうだ。


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Peng Mu,
Sep 3, 2018, 6:42 AM
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